口内炎が重症化した時の強制給餌
口内炎が重症化してくると、痛みのために食事ができなくなってしまうことがあります。そのままでは次第に体力が落ち、抵抗力がなくなってしまいますから、なんらかの手を打たなければなりません。獣医師と相談した上で点滴などの処方を受ける傍ら、飼い主による強制給餌が必要になる場合もあります。
強制給餌は、口に入れてあげればなんとか食べられる状態の時と、流動食以外は受けつけなくない状態の時とでは、食事の種類や給餌の方法が違ってきます。動物病院であれば、その時々の状態に適した療養食を購入することができますので、獣医師に相談してみるとよいでしょう。ただし、猫は食べ物の好き嫌いがはっきりしていますから、嗜好性のあるものを選び、食べることが心身の負担にならないような配慮が必要です。(⇒猫エイズの食事管理)
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柔らかめの食事の強制給餌
口の中に入れればなんとか食べられる状態なら、普段食べているものを細かく切り刻んであげたり、すり鉢などで軽くすりつぶしてあげるとよいでしょう。水分を少し多くすれば、より食べやすい柔らかさになります。どのぐらい柔らくしてあげれば痛がらないかをしっかり見極めた上で、調理の方法を工夫してあげてください。高齢猫用の缶詰や、病院で購入できる療養食であれば手軽にあげることができます。
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流動食の強制給餌
自力では食べられないというときには、かなり柔らかくしたペースト状の食事(流動食)を強制給仕します。あまり柔らかいと、指を使って強制給餌することはできませんから、シリンジ(注射器の筒の部分)を使い、口の横から流し込むようにします。流動食は動物病院で購入することができますが、猫の嗜好に合わないことも多いので、そのような時には、普段食べ慣れている食事や手作りの食事をミキサーでドロドロにして、シリンジであげるようにします。
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流動食をあげる時の一回の投与量は、およそ10~15mlぐらいが適当とされています。これ以上の量を無理やり強制給餌すると、体力的にかなりの負担がかかる上、食べること自体がストレスになってしまいます。一度にたくさん与えようとせずに、少量ずつを何回かに分けて与えるようにするのが強制給餌のコツです。食事が気管に入らないよう、十分に注意をしてあげてください。
強制給仕のやり方
強制給餌のやり方としては、まず猫を膝の上に仰向けの状態で抱き上げます。仰向けに寝た姿勢のままだと、食べ物が気管支に詰まる危険がありますから、仰向けの姿勢からできるだけ前に立てた姿勢になおします。小さい子供を正面に向けさせて膝に抱いている、そんなイメージを持ってください。
そして、後ろからあごの下に左手をまわし、口の左端に左手の親指、右端に中指を差しんで、猫のアゴをこじあけるようにします。左右の奥歯の部分に指を差込むように入れれば、自然に口が開きます。開いた口の右横から、右手の人差し指に乗せた、指の先ほどの大きさの食事を素早く入れます。上あごに食べ物をつけるようなつもりで与えると、上手く飲み込んでくれます。あまり大きなものや、奥のほうに入れすぎると危険ですから、気長に丁寧に一口ずつ口に入れてあげてください。
シリンジで与える時は、後ろからではなく、猫の正面から口の右もしくは左にシリンジの先端を浅く差込み、少量ずつ流しこむようにするとよいでしょう。やり方は人それぞれですので、試行錯誤しながらもっとも与えやすい方法をみつけてください。いずれの場合も、ゆっくり気長に与えることが肝要です。
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