私たち人間は、様々な食材を組み合わせて食事を取ることが理想的と言われています。
と〜ても無理だけど1日30品目食べるように心がけて下さいなんて言われていますよね。もちろんゴロにゃんママも努力はしているのですが、ぜんぜん栄養的にはバツだと思います( ̄× ̄)b゛NG!!。
でも猫のこととなると、がぜん頑張ってしまうのであります。
なぜなら猫の食事は私ゴロにゃんママの責任だからです。
飼い主さんまかせなのですよ。猫の食事は。
さて猫の基礎的栄養学の章です。
猫は、特に完全室内飼いの猫達は、飼い主から与えられる食事がすべて。だからこそ猫に必要な栄養をきちんと理解する必要があるのではないでしょうか。
いつになくまじめでしょ?めっちゃまじめにこの章は取り組んでしまいました。
なんせ猫が生きて行く上で、とっても大事な部分なもんで、ちょっと力が入っておりますデス。
これから語る内容には、間違いがあってはならないので、念入りに調べて書き込みました。
でも参考図書にも多少の数値の違いや、アミノ酸の数の違いなどがあって、ちょっとややこしいことになっているのですが、できるだけ勉強したそのままをみなさんに提供しています。
特に参考にさせていただいた図書は、左にあげていますので、興味のある� ��は、ぜひ読んでみて下さいね。
人間と猫が必要とする栄養素の種類はほぼ同じなのですが、食性・代謝が違うために必要とする栄養素の量が大きく異なります。
猫に人間と同じ食事を与えると、栄養面で偏りが出てしまいます。
それに人間の食べ物には、香辛料やタマネギ類、そのほか好ましくない食材が含まれています。(詳しくは与えてはいけない物で)
時には中毒症状を起こしてしまう場合さえあるのです。
また汗をかくことができない猫は、余分な塩分を汗によって排出することができないので、人間のために調理された食事では、必要以上に塩分を摂取しすぎて、腎臓や心臓に負担をかけてしまいます。
猫は肉食動物の中でも「真性肉食動物」といって、お肉を食べることで生きていける動物なのです。
猫は長い間、ネズミなどを丸ごと食べて、肉や内臓、軟骨も食べることで栄養が満たされ健康でした。
ですから、肉や魚を人間が与えたとしても、すでに死んだ切り身や内臓のない肉では栄養のバランスがとれないのです。
ましてや、猫が必要な栄養素は、植物からは得られないのです。人間の中には、「ベジタリアン」と呼ばれる人がいますが、ベジタリアンの飼い主が、猫を飼う場合でも、絶対に猫には、お肉やお魚を餌としてあげないといけないのです。
昔の日本の「猫まんま」の代表レシピである、みそ汁にごはんを混ぜたモノでは、猫は慢性的に栄養が不足した状態でした。ネズミを捕ってみずから栄養不足を補う必要が� �ったのですよ。
猫の食事の基本は、動物のお肉(肉や魚)にあることになります。
まずは、猫の栄養代謝のシステムが人とは絶対に違うのだということを認識する事が必要です。
偏った食事からくる病気疾病の関連性も解明されてきています。
そして 猫の食事を理解するためには、
(1)栄養素の機能を理解すること
(2)猫の代謝上の特徴について知ること
(3)栄養素の代謝に関連した病気について知ること
が必要だと認識して下さいね。
タンパク質
タンパク質は、筋肉をつくるだけでなく、ホルモンや酵素となって働きます。
タンパク質を構成しているアミノ酸は、動物性食物と植物性食物ではその種類が違って、猫には肉・魚、乳製品などの動物性食物に含まれるアミノ酸が欠かせません。
猫のタンパク質の必要量は、他の動物に比較すると高くて、体重1kgあたり6.4g。ちなみにわんちゃんは体重1kgあたり4.8g、人間の必要量と比べると5〜6倍ものタンパク質が必要なのですよ。
食餌から摂取されたタンパク質は、消化管内でアミノ酸に分解吸収され、体タンパク質、酵素、消化液などの合成に使われます。
猫が必要としているタンパク質は、22種類のアミノ酸の組み合わせで構成されていますが、体の中で合成できるものとできないものがあります。
体内で合成できないアミノ酸のことを必須アミノ酸といい、これらは食べ物から取らないといけません。
猫に必要な必須アミノ酸は11種類にものぼります。ちなみに人間は9種類となります。
テリア逆に治療をくしゃみ
猫 | 人 | ||
中性アミノ酸 | アラニン | ||
アスパラギン | |||
システイン | |||
グルタミン | |||
グリシン | |||
イソロイシン | ● | ● | |
ロイシン | ● | ● | |
メチオニン | ● | ● | |
フェニルアラニン | ● | ● | |
プロリン | |||
セリン | |||
スレオニン | ● | ● | |
トリプトファン | ● | ● | |
チロシン | |||
バリン | ● | ● | |
酸性アミノ酸 | アスパラギン酸 | ||
グルタミン酸 | |||
塩基性アミノ酸 | アルギニン | ● | |
ヒスチジン | ● | ● | |
リジン | ● | ● | |
含硫アミノ酸 | タウリン | ● |
体内に取り込まれたアミノ酸はやがて分解され体外に排泄されます。
この代謝課程でアミノ酸(窒素化合物)はアンモニアを経て尿として排泄されます。
アンモニアが尿素へ変換される際に、アルギニンという酵素の働きで尿へと転換されます。
このアルギニンは食べ物から得られ、アルギニンが断たれるか減少するとアンモニアの尿への転換が行われなくなって、アルギニン欠乏症(アンモニア中毒)とよばれる症状がおこってしまいます。
体に毒素がまわって、猫は短時間のうちに死に至ってしまうとても怖い症状になってしまうのです。
このように猫特有の代謝システムがあるために、市販のキャット・フード中ではアルギニン含量を高めるなどの工夫をされた製品が多いのです。
タンパク質の代謝過程の中でのもうひとつの大事な要素は、タウリンです。
タウリンは、網膜の形成に必要な物質であり、胆汁の原料でもあります。
多くの動物では含硫アミノ酸の代謝の過程でタウリンが生成されますが、猫はこの代謝経路が弱いかあるいは欠落しているのです。
このためタウリンは食べ物からの摂取が必要で、不足した場合には、網膜に支障をきたして失明なんてことになりかねません。
よくノラ猫で、栄養失調になっている猫ちゃんは、目を悪くしている姿をみかけますよね。大抵は、このタウリンの栄養不足からくる症状です。
胆汁の合成過程においてもタウリンに依存していることが猫の特徴です。
ジャックラッセル股関節疾患
炭水化物
基本的に「お肉」は生き物が死んだものですよね。あんまりそんなことを考えた事もなかったのですが、この「お肉」は、当然、死後硬直による変化を受けていて、生きたお肉に存在するグルコース(ブドウ糖)という物質が存在していません。
人間は、お肉だけを食べているとエネルギー源であるこのグルコースが不足します。
だから炭水化物を別に摂取する必要があるのです。
でも、猫は、タンパク質や脂肪から上手にエネルギーに変えることができるので、基本的には、炭水化物は絶対に必要なものではありません。
でも動物性の食物には、ビタミンやミネラルが偏っているものが多いのでお肉だけで、エネルギーを賄おうとすると栄養バランスを崩すこともあります。
それに生の肉か� ��は得られていた微量な栄養素も、最初に話した死後硬直や熱を加えて調理されたものになった為、あえて炭水化物で補うことになりました。
炭水化物を含む食材が、猫の食事に取り入れられた理由として(もしかしたらこれが一番だったのかも)有力なのが、安価に製造できるものだったというものです。キャットフードのドライタイプは特に炭水化物の割合が高くて、毎日の食事を賄うのには、便利で安く、そして手に入りやすい原材料なのです。
ペットフードはとても、便利で栄養面でも適度に考えられたものですが、果たして本当に猫にとっていいのかどうかは、調べれば調べるほどちょっと疑問も残るのが、本当のところゴロにゃんママの憂鬱です。
人間でもそうですが、結構食材に含まれる超微量な栄養素が、体にはとても必要な物だったりします。
その微量な栄養素については、まだまだ人間でも解明されていない部分もあり、日々、進歩した検査によって判明しています。
だからお昼の番組の超人気番組(おも○○○りテレビ)や、日曜夜の(○る○� �大辞典)なんて番組でも、いろんな食べ物の特集が組まれていたりして、その効能について、あれこれあれこれ…。
その日のその扱われた食材がと〜ても売れたりするわけですよ。
ということは、猫にも人間と同様に超微量な栄養が含まれる食事を与えるといいことあるのかあなあって感じです。
猫にとって、究極のパーフェクトな食材はやっぱりネズミや小動物、小鳥などなのです。そのうちに、とっても清潔なネズミを売る店が愛猫家の間で流行ったりして…。
でもネズミはちょっといやですよね。
いやだから食べさせないのかなあ…。「シ〜ロ、おいしそうな生きたネズミ買ってきたよ〜早く食べなさ〜い!!」ってか〜(;^_^A。
でもでも猫にはやはり最適な餌なんでしょうね。ず〜とこれを主に食べてきたのだ から。
炭水化物は、主として植物材料から得られる栄養素です。
植物に含まれる炭水化物は2種類あって、ひとつは植物の主に実や根などの貯蔵器官(種、実、根っこなど)に蓄えられたもの、もうひとつは植物自身の構造維持(茎や葉、樹枝など)に必要なもので、植物繊維と呼ばれています。
前者は消化性の高い成分であり、後者は消化しにくい成分です。植物が貯蔵する炭水化物にはいろいろな種類がありますが、猫の食材として利用されるものはデンプンです。
なまのデンプンは直接消化することはできないので、熱を加えて調理をすることによって消化吸収がよくなり、炭水化物の供給源としてすぐれた食材となるのですよ。
これは猫の消化管内で簡単に分解され、体内でのグルコース供給に役立ちます。グル コースは先ほどいったように、死んだ「お肉」からは、得られない猫に必要な栄養素なので、その代用品として、炭水化物が利用されています。
一方、植物自身の構造維持(茎や葉、樹枝など)にかかわる炭水化物は、一般に植物繊維と呼ばれて、ほとんど消化されない成分です。
最近では植物繊維による整腸作用などが明らかにされ、人間のダイエットでもよく利用されるものですよ。
市販のキャット・フード(主にドライタイプ)には繊維成分が含まれていて、その割合は通常3%以下です。
また獣医師が処方するフードには、繊維量が20%を超える猫の肥満治療に与えられる特別なキャットフードもあります。
植物繊維は、猫の体の中でほとんど栄養吸収されないために、ダイエット食として利用されています。
猫の炭水化物の必要な量は、まだよくわかっていないらしいのですが、市販のキャット・フードでは通常40%〜50%程度含まれているグルコースとして体熱発生に役立っています。
このように炭水化物は、とても効率よく吸収できる栄養素ですが、ガンの猫に与える時には気をつけないといけません。
ガン細胞が好んでエネルギー源とするからです。
できるだけ少なく25%以下に制限することが望ましいです。
猫は人間と違って炭水化物を必ずしも必要としているわけではないので、ガンなどにかかったら炭水化物を含む食品はすべて摂取するのはやめにしたほうがいいと思います。
犬の発熱が揺れる
脂肪
食べ物で摂取された脂肪は、消化管内でリパーゼの作用によりグリセロールと脂肪酸に分解されます。
脂肪には、常温で固形のもの(牛乳、チーズ、バター)に含まれる「飽和脂肪酸」、常温で液体のもの(サラダ油、魚油、月見油など)に含まれる「不飽和脂肪酸」があります。
飽和脂肪酸は体内で合成されますが、不飽和脂肪酸には体内で合成されない多価不飽和脂肪酸があり、これを必須脂肪酸といいます。
体内での合成が十分に得られないものは食べ物から取る必要があります。
動物の必須脂肪酸は、n-3(またはω-3、オメガ3)系列とn-6(またはω-6、オメガ6)系列があり、
前者にはアルファ・リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、
DHA (ドコサヘキサエン酸。アマニ油、シソ油、魚油)が、
後者にはリノール酸(ベニバナ油、コーン油、大豆油)、
ガンマ・リノレン酸(月見油)、
アラキドン酸(鶏肉油脂、魚油)が含まれます。
だから猫ではリノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸の3種類が必須脂肪酸となり、食べ物から直接得ることが必要とされています。
リノレン酸については、現在研究中という記述の図書もあって、判断がむつかしいところなのですが、ここではあえて3種類の脂肪酸が必要としておきます。脂肪は、エネルギーとして利用するために大切なエネルギー源です。
ガン細胞は脂肪をエネルギー源として代謝するのが苦手です。ですからオメガ3系の多価不飽和脂肪酸にはガンの成長および転位抑制、免疫増強作用、新生血管の成長抑制など、ガンの治療と合わせて食事療法を平行して行う必要があります。
どうしてここまでガンにこだわるのかというと、「クロ」が扁平上皮ガンだと診断され、その治療法をあれこれとゴロにゃんママなりに探っていていろんな文献などからこの情報を得たのです。
結局「クロ」のガンはすでにかなり進行していて、治療のかいはなかったのですが、このインターネットを見ていらっしゃる方で、情報を求めていらっしゃる方がいれば、少しでもお役にたてるのではと、シロウトながら書かせていただきました。
話がよこにそれてしまいましたが、脂肪の摂取は必須脂肪酸だけでなく、脂溶性ビタミンも得られることができます。
また脂肪はフードの摂取量とも関係しており、一般に高脂肪食のほうが摂取量は高くなります。
マグロ、カツオなどの赤身の魚や、サバ、アジ、イワシなどの背の青い魚には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
これらばかりを毎日与えていると、黄色脂肪症(イエローファット)という病気になってしまいます。
魚ばかりの偏食は、チアミン欠乏症も含めて病気になりやすい物質が含まれているので、避けましょう。
魚の缶詰を与える場合は、脂肪の代謝に役立つ「ビタミンE」が配合されているものを選ぶと良いですよ。
ビタミン
ビタミンとミネラルの必要量は、3大栄養素に比べて大変少ないです。
でも体内での生理的な働きはとっても重要で、欠乏あるいは過剰によって特有の症状を示します。
ビタミンは溶媒への溶解性から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに区別されます。
ビタミンは、光、熱、酸化などの影響を受けやすい栄養素です。
猫は、ビタミンB群、そのなかでもB1を多く必要とします。
偏った食事をしていると、チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)になってしまいます。
また、ビタミン破壊酵素サイアミナーゼという酵素を多く含んだ魚のみ(大抵の魚には含まれています。
特に多いのは淡水魚。コイ科に多く含まれる)を与えていると、ビタミンB1が分解されるので、魚ばかりの偏食には注意が必要です。
この病気になると、食欲がなくなって、歩き方や姿勢がおかしくなる、痙攣をおこすなどの神経症状が出て、やがて死に至ります。
健康な猫は、肝臓内でビタミンCを合成できるので、ビタミンCを含む食品を食べる必要がありません。
ビタミンDは特にカルシウムとの関わりが大きいので、ミネラルのところで詳しく説明しています。
ビタミンを多く含む食材と、過不足からくる症状を表にしてみましたので参考にして下さい。
ビタミンA | レバー、腎臓、 卵黄、 バター、 魚のレバーオイル | 目を保護する働きがあって、与えすぎると筋萎縮や体の痛みなどを起こします。夜盲症、角膜乾燥症。雄猫では睾丸の萎縮が見られ、子猫では、虚弱体質、歩行異常、体の震え麻痺などが不足によって見られます。 |
ビタミンB1 | 酵母、豚肉、フスマ | 体調維持に必要で猫は特にビタミンB1の要求量が高いです。体内に蓄積されないので、毎日取る必要があります。食欲減退、歩行失調、嘔吐、体重減少、心機失調、痙攣、麻痺などを引き起こします。 |
ビタミンB2 | レバー、腎臓、魚、酵母、カテージチーズ | 不足すると、食欲減退、歩行失調、脱毛、白内障を引きおこします。雄猫では、睾丸萎縮も起こりえます。 |
ビタミンB3 | レバー、心臓、腎臓、酵母、鶏肉、小麦胚芽、卵黄 | 下痢の原因になったり、口内潰瘍、口臭、発熱がおこります。子猫だと呼吸器感染症にかかりやすくなります。 |
ビタミンB5 | レバー、腎臓、卵黄、フスマ、小麦胚芽、鶏肉、緑黄色野菜 | 体重減少や脂肪肝、アレルギー体質になりやすくなります。 |
ビタミンB6 | 酵母、小麦胚芽、小麦フスマ、臓物、牛肉、卵黄 | 体重減少、成長障害、貧血や腎臓疾患、痙攣、荒れた毛づやとなります。 |
ビタミンB9 | 酵母、臓物、卵黄、緑黄色野菜 | 貧血、体重減少が起こり、子猫では成長障害も見られます。 |
ビタミンB12 | 臓物、牛肉、チーズ、卵黄 | 貧血、成長障害、感染症にかかりやすくなってしまいます。 |
ビタミンH | 酵母、卵黄、牛レバー、腎臓、玄米 | 涙目、体重減少、血便、顔のカサカサなどが見られます。 |
ビタミンC | 特に必要なし | 皮膚、毛、歯茎の健康に欠かせないものです。人間と違って猫は体内でビタミンCを生成できるので、与える必要はありません。 |
ビタミンD | 卵黄、魚肉 | 骨や歯に奇形、弱い筋肉となり、関節炎を起こしやすくなります。くる病、骨軟化症、骨粗鬆症 |
ビタミンE | 小麦胚芽、ブロッコリー、ほうれん草、卵黄 | 骨格と筋肉の成長を助けて、体内の血行をよくします。魚を多く食べさせている猫には、酸化防止の為多く必要です。繁殖障害、黄色脂肪症、栄養性ジストロフィーなどを引き起こします。 |
ビタミンK | 納豆、緑黄黄色野菜、海草 | 血液凝固因子の合成促進。骨、歯などの発育に関係しています。 |
コリン | 卵黄、臓物、牛レバー、腎臓、玄米 | 脂肪肝の原因となります。 |
*フスマ:小麦の皮にあたる小麦フスマは不水溶性の食物繊維 |
ミネラル
ミネラル(灰分)は骨格の形成と体液バランスの維持に作用してます。また神経伝達や筋肉の収縮にも関係しています。(灰分は、キャットフードのミネラル分の総量で、キャットフードのサンプルを600℃で2時間燃やした後に残る無機物のことをいいます)
ミネラル は、ひとつのミネラルの必要量をとるだけでなく、他のミネラルやビタミンとのバランスがとれていないとうまく作用しないものもあります。同じ物ばかりを食べていると、このバランスが崩れ弊害が起きます。特にリンとカルシウムのバランスが特に重要で、カルシウムが、リンの1.2〜1.5倍の比率でなければなりません。
ところが、例えば、牛肉の筋肉部分の肉(いわゆる精肉)ではリンがカルシウムの10倍以上含まれています。
穀類もリンの方が多く、お米もやはりリンがカルシウムの10倍なのです。
だから不足しがちなカルシウムを含む食材を添加する必要があります。
カルシウムの吸収には、ビタミンDも関わっていて、ビタミンDが不足するとカルシウム吸収不足になり、骨が弱くなります。
逆にビタミンDが過剰な場合は、食事の中にカルシウムが十分でないと骨からのカルシウム溶出が増えて、結果的にこれも骨が弱くなってしまいます。
このビタミンDは、猫は自分の皮膚で紫外線により合成することができます。だからしっかりと太陽に当たって、自分の毛を舐めることで、そこからビタミンDを得ることができるのです。
猫の毛づくろいにはちゃんと理由があるのです。
今は、キャットフードの中にちゃんとビタミンDが入っているので、さほど気にする必要もなくなっているようですが、極端に日の当たらない環境は、人にも猫にもよくないので、どうぞたまには猫ちゃんを日に当ててあげて下さいね。
でも白い猫はちょっと要注意。アルビノと呼ばれる目の赤い猫は、できれば一生、薄暗い部屋で飼う必要があるので(遺伝的な要因により太陽光にあたると目がつぶされる為)、気を付けて下さいね。
それに普通の(目の赤くない)猫でも、太陽光の紫外線で、扁平上皮がんにかかりやすくなるので、日向ぼっこは、普通の猫よりも少し少なめにして下さい。
猫の被毛の色でも、太陽とのおつきあいで変わってくるので要注意。それに地球温暖化の影響で、紫外線が特に強力になってきているので、普通の猫でも、昔の猫よりも少し日向ぼっこの時間を少ない目にする必要があるかもしれませんね。
リン | カルシウムとリンはバランスよく与える必要があります。バランスが崩れるてリンが多すぎると余分なリンを体の外へ出すときにカルシウムも使ってしまいます。カルシウムとリンの比率は1対0.8ぐらいです。 |
カルシウム | 骨格をつくる大切な栄養素で、発育の盛んな子猫や子猫を妊娠中の母猫には欠かせない成分です。煮干しやチーズ、市販されているカルシウム食品を与えましょう。 |
鉄分 | 赤血球を体内で作るために必要です。生肉やレバーに多く含まれます。 |
ヨウ素 | 甲状腺の機能を調節します。成長促進。不足すると甲状腺機能の異常が見られます。 |
亜鉛 | 皮膚の抵抗を増強させることができます。 |
ナトリウム | 浸透圧の調整。心臓の調整。過剰摂取により心臓・腎臓疾患になります。 |
カリウム | 浸透圧調整、心臓調整、神経伝達。 |
銅 | 赤血球形成促進。 |
コバルト | 貧血予防 |
また、マグネシウムの過剰は、猫にとって病気の引き金になります。猫は下部尿路症候群、つまり尿結石などによる尿路障害を起こしやすい動物です。
猫は、もともと砂漠に近い非常に水の不足したところに住んでいた動物であることから、体内の水を少なくても効率よくコントロールできる体になっています。
そのため尿を濃縮する能力の高い動物なので、ミネラルを多く摂取すると、尿の中にミネラルの特にマグネシウムが多くなって、結晶ができやすくなってしまいます。
猫の病気とけがのことろでも触れていますが、マグネシウムの摂取量を調節することで、未然に防げる病気なので、食事の管理には、常に意識することをおすすめします。
ゴロにゃんママのところの「シロ」も5才くらいの時に、尿結石 になってそれ以来ずーと、特別食を主に食事制限をしています。
でも再発は全然していないので、とりあえず安心ですが、常にこのマグネシウムの数値が書いてあるキャットフードには、関心を持ってみています。
表示していないキャットフードは、はじめから除外して選んでいます。
あの苦しそうな症状を思い出すととても、意識せずにはいられません。
最近すごーく増えている病気なので、あなたの猫ちゃんも気をつけてあげて下さいね。
おしっこが出ないと、猫はあっという間に死んでしまうのです。
一般の猫ちゃんなら0.1%以下程度の表示があるものなら、安心できるのではないでしょうか。
現在の良質のキャットフードは、こうした点も考慮してつくられています。
キャットフードだけでなく、こうした下部尿路症候群、つまり尿結石などによる尿路障害を未然に防ぐためには、常に新鮮な水を、好きなだけ飲めるようにしておくこともとっても大切な事です。
空気および水
空気(酸素)と水は地球上のあらゆる動物の生命維持に必須ですが、一般的な環境では、とくに制約を受けないかぎり空気や水は自由に得られるので、普通は栄養素としては扱われません。
でもここれはあえて、大事な物として書き込んでみました。
水は体の中で、細胞液、血液、リンパ液として存在していて、さまざまな代謝反応が水の存在によって成り立っています。
もともと乾燥した地域で生活していたネコはあんまり水が好きではありませんよね。でも不必要というわけではありません。
猫の体水分は、胎児期や未成熟期では80〜90%あり、成熟期(成猫)でも60〜65%を占めています。また体水分が10%失われると重態となり20%以上損失すると死んでしまいます。
体水分の補給は、飲み水や食べ物からまかなわれています。
また体内で栄養物質が代謝される時に化学反応によって水が生産されます。
体内での化学反応によって供給された水は代謝水と呼ばれています。
どちらにしても水は大切なものなので、いつでも新鮮な水が飲めるようにすることが大事です。
尚、このホームページの内容は、「イラストで見る猫学」
2003年11月
発行著者:林 良博
発行所:講談社
を参考とさせていただきました。
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